ミタケトラノオか (コバノヒノキシダ×イワトラノオ)Asplenium ×mitakense
チャセンシダ科 チャセンシダ属
ミタケトラノオか
生育している環境:上部が笹や夏緑および照葉樹の樹冠に覆われた泥岩の露頭で観察。泥岩の露頭に葉の長さが5~8㎝の小形のイワトラノオが群生しているなかで、葉の長さが12~18センチの大きな葉をつけた株が2~3株、突出するように生育していた。近くにはコバノヒノキシダは生育していないが、少し離れた場所では見られる。
観察された特徴:コバノヒノキシダとイワトラノオの雑種と推定されるがまだ胞子のようすを観察していない。ミタケトラノオ(雑種)・細身のコバノヒノキシダ・アシカワトラノオなどが考えられる。常緑性。やや2形性を示す。胞子葉は栄養葉にくらべて大きくなり12~18㎝、長楕円状披針形で基部の羽片は多少短縮する。羽片は底辺の広い三角状卵形で基部は切形に近い。両種の中間的な形態をしているが、葉が3~4回羽状に分かれる点はコバノヒノキシダに似ているが、葉の質が薄い点はイワトラノオに似ている。生育地では群生するイワトラノオに混ざって生えていることがあり、イワトラノオの大株として見過ごしてしまいやすいが、よく見ると羽片の形などで区別できる。
生育確認数2地点。各地点で4~10株。森戸川源流。