ハチジョウベニシダ Dryopteris caudipinna
オシダ科 オシダ属
標本1 ※2018年10月13日に観察した株。胞子のようすを確認したのは2021年7月11日
生育している環境:標高の低い森に生育(標高150~250m)。沢沿いのウエットなスギ植林地内の生林床に生育。周辺にはベニシダ、ベニシダとの雑種と推定されるオオシマベニシダが生育。生越では2地点(黒山・笹郷)で観察。
細かく調査していないが生越周辺では同じような標高で広く分布しているのではないかと思われる。葉の質感が多少薄く小羽片が長めのものが見られたらぜひ胞子を観察していただきたい。
観察された特徴:葉の大きさは60~90㎝、ベニシダに大変よく似ているが葉の質はベニシダよりも薄い。小羽片はベニシダよりも長く伸び、先の方は多少なよなよする。以前の黒山での観察会でこの周辺に生えるベニシダの中にハチジョウベニシダの可能性を報告したが、今回、胞子を観察することでハチジョウベニシダであることが確認できた。(2021年7月9日)。個体数を多く観察すると外部形態で何とか区別できるが、確信を得るためには胞子観察が一番良い。周辺を探すとやや葉の厚い雑種のオオシマベニシダなども見つかる。
(1)ハチジョウベニシダ似のベニシダ、小羽片
(2)ハチジョウベニシダ似のベニシダ、胞子嚢群
(1)ハチジョウベニシダ胞子1、上面
(2)ハチジョウベニシダ胞子1、側面
(3)ハチジョウベニシダ胞子2、上面
(4)ハチジョウベニシダ胞子2、側面
(1)ハチジョウベニシダ、葉身下部の羽片
(2)ハチジョウベニシダ、葉身上部の羽片
(1)ハチジョウベニシダ、胞子を観察した羽片
(2)ハチジョウベニシダ、胞子を観察した羽片(裏側)
標本3※2021年7月11日に観察した株
標高の低い(150~250m)谷沿いのスギ林林床に生育ハチジョウベニシダ
(1)(2)(3)ハチジョウベニシダ、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)ハチジョウベニシダ胞子1、上面
(2)ハチジョウベニシダ胞子1、側面
(3)ハチジョウベニシダ胞子2、上面
(4)ハチジョウベニシダ胞子2、側面