伊豆半島や沼津よりも北、標高は200~500m、静岡県東部の渓谷を歩きました。地質は溶岩で切り立った崖や火山岩質の大きな転石が見られました。渓谷沿いのためかシカの害はそれほどひどくありませんでしたが、渓谷の岩場ではカモシカに出会い、姿は確認できませんでしたがシカの鳴き声よく響いていました。
トウゲシバの仲間
普通のトウゲシバ、オニトウゲシバ、鋸歯の鋭いトウゲシバなどが見られました。
普通のトウゲシバ
葉は倒披針形で幅は2~3㎜。直立する側枝はあまり枝分かれせず、枝分かれは1回程度。
標本1
①②普通のトウゲシバ
標本2
②普通のトウゲシバ
③普通のトウゲシバ
標本3
④よく成長した普通のトウゲシバ
⑤よく成長した普通のトウゲシバ、葉
標本4 標本5
⑥標本4 よく成長した普通のトウゲシバ
⑦標本5 よく成長した普通のトウゲシバ
オニトウゲシバ
葉は紡錘形で幅は4㎜程度。よく枝分かれし2~3回枝分かれする。
鋸歯が鋭く幅の割に短い葉を密につけるオニトウゲシバ似のシダ
オニトウゲシバに近いと思われるが、葉の長さは短いく幅は広く葉の辺縁の鋸歯は鋭い。また葉を込み合ってつける。
参考画像 八ヶ岳美濃戸口
コケのように小さいトウゲシバの仲間
①小さく幅のある葉を密につける小さなトウゲシバの仲間
②ツルチョウチンゴケの雄盤器(写真中央)くらいの小さなトウゲシバの仲間
イワヒバの仲間
イワヒバ、カタヒバ、クラマゴケなどが観察された。
紅葉するカタヒバ
林縁の明るい岩壁に生育するカタヒバはすこし紅葉していた。この季節、カタヒバも生育場所によってはイヌカタヒバのように紅葉する。人家の周辺にはイヌカタヒバが紅葉している。両者の区別は背葉の中肋の形状で行うと容易。
カタヒバとイヌカタヒバの判別
カタヒバの背葉の稜は2つの並行する溝に挟まれたか幅の広いまぼこ型の稜であり、イヌカタヒバの背葉の稜は紙を山折りしたときのような幅の狭い1本線のような稜。
①すこし紅葉するカタヒバ
②明るい岩壁に群生するカタヒバ
③カタヒバの背葉・腹葉
④幅の広いかまぼこ型の稜を持つカタヒバの背葉
アオホラゴケの仲間
アオホラゴケ、ウチワゴケが観察された。
アオホラゴケ
日陰の岩壁や谷沿いに転がる転石上に群生していた。
①②日陰の岩壁に生育するアオホラゴケ
ハイホラゴケの仲間
ハイホラゴケ、イズハイホラゴケ、それら2種の雑種と思われるシダが見つかりました。ただ、まだ胞子のようすを確認していないので外観による判断です。属は異なりますが、ウチワゴケ、アオホラゴケも観察されています。
ハイホラゴケが関わる雑種かハイホラゴケか
日陰のウエットな岩壁の下部に群生。
胞子のうをいくつか観察したが、いくつかの充実した胞子は観察されたが胞子数は少なく雑種の可能性を否定できない。ハイホラゴケとしたものをハイホラゴケが関わる雑種かに訂正いたします。改めて観察する季節を変えて胞子を見てみたい。
①ハイホラゴケが関わる雑種かハイホラゴケか
①ハイホラゴケが関わる雑種かハイホラゴケか、葉身
②ハイホラゴケが関わる雑種かハイホラゴケか、胞子を観察した葉
※①②は同一個体
①②ハイホラゴケが関わる雑種かハイホラゴケか、1つの胞子のうを壊したようす
①②ハイホラゴケが関わる雑種かハイホラゴケか、1つの胞子のうを壊したようす
イズハイホラゴケか
まだ、胞子のようすを観察できていない。改めて訪れて胞子のようすを調べてみたい。
大きなハイホラゴケの仲間。周りを樹木が覆い薄暗く、ウエットでオーバーハング気味の岩壁に群生。胞子を採取することはできなかった。
①②イズハイホラゴケか
イズハイホラゴケが関わる雑種かヒメハイホラゴケか
胞子のうをいくつか観察したが、いくつかの充実した胞子は観察されたが胞子数は少なく雑種の可能性を否定できない。ヒメハイホラゴケとしたものを再度イズハイホラゴケが関わる雑種かに訂正いたします。胞子を観察すると、正常な胞子をある程度観察することができ、雑種ではないようである。改めて観察する季節を変えて胞子を見てみたい。
オーバーハングした岩壁に群生するイズハイホラゴケと思われる群生のそばに(3mほど離れている)群生。生育環境は滑滝のような水が流れる岩上。イズハイホラゴケと思われる群生よりは明るい環境に生育。
①水が流れるウエットな沢傍に生育するイズハイホラゴケが関わる雑種かヒメハイホラゴケか
②イズハイホラゴケが関わる雑種かヒメハイホラゴケか、群生する様子
③水が流れるウエットな沢傍に生育するイズハイホラゴケが関わる雑種かヒメハイホラゴケか、葉身
①②イズハイホラゴケが関わる雑種かヒメハイホラゴケか、胞子を観察した葉
キジノオシダの仲間
林内、溶岩の岩壁や急斜面の崖や林床にオオキジノオやキジノオシダがよく見られた。両種の雑種のフタツキジノオを探したが見つけることはできなかった。また探してみたい。
①林内の急斜面の崖に生育するオオキジノオやキジノオシダ
コバノイシカグマの仲間
コバノイシカグマとウスゲコバノイシカグマが観察されました。同行の方から教えていただきました。
コバノイシカグマ
林縁の林道沿いに生育しています。コバノイシカグマ(右)とウスゲコバノイシカグマ(左)の比較しました。毛の有無を別にして葉形(葉身・羽片・小羽片)の違いが明瞭です。コバノイシカグマは底辺の広い三角形。それに対して、ウスゲコバノイシカグマは幅の狭く長い三角形をしています。
①コバノイシカグマ
②ウスゲコバノイシカグマ(左)とコバノイシカグマ(右)との葉形の比較
ウスゲコバノイシカグマ
林縁の沢沿い。沢からの堆積物の岩屑に上に生育。はじめて観察したシダ。最初、葉形や毛が無い質感の違いからコバノイシカグマの仲間には見えず、同行の方かウスゲコバノイシカグマと教えていただき始めて納得。
①ウスゲコバノイシカグマ
②ウスゲコバノイシカグマ栄養葉(左)とウスゲコバノイシカグマ胞子葉(右)
⑤ウスゲコバノイシカグマ、中軸
⑥ウスゲコバノイシカグマ、コップ状の包膜および胞子のう群
⑤ウスゲコバノイシカグマ、葉柄
⑥ウスゲコバノイシカグマ、葉柄基部の毛
イノノトソウの仲間
イノモトソウ、オオバノイノモトソウ、マツザカシダ、オオバノアマクサシダ、アマクサシダ、ナチシダが観察されました。オオバノハチジョウシダには出会いませんでした。
オオバノアマクサシダ
水が滴るような岩壁や林内の崖下の岩屑上に生育していた。羽片の先端の頂小羽片は長い。オオバノハチジョウシダは観察することができなかった。
①ウエットな岩壁に生育するオオバノアマクサシダ
②オオバノアマクサシダ、羽片
シシラン
シシラン科シシラン属
渓谷の流れ近くの樹幹や岩上に生育。
①渓谷の流れ近くの樹幹に生育するシシラン
②渓谷の流れ近くの樹幹に生育するシシラン
③シシラン、葉の裏側
シシガシラの仲間
シシガシラ、オサシダが観察されました。
オサシダ
切り立った岩壁に生育。シシガシラ戸異なり、栄養葉・胞子葉はほぼ同形。
①切り立った岩壁に生育するオサシダ
②オサシダ、葉柄基部の鱗片
③オサシダ、胞子葉(表面)と栄養葉(表面)
④オサシダ、胞子葉(表面)と栄養葉(表面)拡大
⑤オサシダ、胞子葉(裏面)と栄養葉(裏面)
⑥オサシダ、胞子葉(裏面)と栄養葉(裏面)拡大
ヒメシダの仲間
ヒメワラビ、ミドリヒメワラビ、ハシゴシダ、2倍体あるいは4倍体ゲジゲジシダ、ハリガネワラビ、サトヤワラシダなどが観察されました。夏緑性のシダがほとんどで、正確な種類は改めてよい季節に訪れて調べたいと思います。
サトヤワラシダ
林縁の林道沿いで観察された。
①林縁の林道沿いに生育するサトヤワラシダ
シケシダの仲間
シケシダ、フモトシケシダ、ヘラシダ、オオヒメワラビなどが観察されました。
オオヒメワラビ
水が滴る岩壁に生育。
①水が滴る岩壁に生育するオオヒメワラビ
②オオヒメワラビ、羽片
ヤマイヌワラビの仲間
ヤマイヌワラビ、カラクサイヌワラビ、タニイヌワラビ似のシダが観察されました。
カラクサイヌワラビ
谷沿いの林床針葉樹林内、溶岩の岩屑の林床に生育。この季節、葉は黄色く枯れ始めかえって目立った。葉柄基部の鱗片は辺縁が淡色になり、葉の裏側から見ると小羽片の前側最下裂片(耳垂)が大きく発達している。
①林床針葉樹林内に生育するカラクサイヌワラビ
②カラクサイヌワラビ、葉柄基部の鱗片
③カラクサイヌワラビ、羽片表面
④カラクサイヌワラビ、羽片裏面
タニイヌワラビあるいはタニイヌワラビとツクシイヌワラビの雑種か
常緑性のシダ。林床針葉樹林内、林道わきの崖面に生育。タニイヌワラビかもしれないが小羽片の先がやや丸っこくツクシイヌワラビにも似る。改めてよい季節に胞子を観察してみたい。
①林内の崖面に生育するタニイヌワラビあるいはタニイヌワラビとツクシイヌワラビの雑種か
②タニイヌワラビあるいはタニイヌワラビとツクシイヌワラビの雑種か、羽片および小羽片
ノコギリシダの仲間
ノコギリシダ、オニヒカゲワラビが観察されました。
ノコギリシダ
林内、水が滴る岩場の斜面に群生する。
①②水が滴る岩場の斜面に群生するノコギリシダ
オニヒカゲワラビ
定期的に林床が刈払われているやや開けた樹齢を経たスギ林林床に群生。葉身は35~45㎝で一般的なオニヒカゲワラビに比べるとあまり大きくありません。
①オニヒカゲワラビ
②スギ林林床に群生するオニヒカゲワラビ
③オニヒカゲワラビ、葉身裏側
④オニヒカゲワラビ、胞子のう群
カナワラビの仲間
リョウメンシダ、ホソバカナワラビ、コバノカナワラビ、オオカナワラビ、ハカタシダ、オニカナワラビ、ミドリカナワラビなど関東で見られるほぼすべてのカナワラビの仲間が観察されました。そして個体変異なのか雑種なのか不明なシダがたくさん観察されました。
オニカナワラビ
側羽片は葉身先端に向かうに従い徐々に短くなる。最下羽片後側第1小羽片は発達する(あまり発達しない個体も見られるが)第2羽片やそのほかの羽片の小羽片は大きさの変化の幅は小さい。
①林床に葉を広げるオニカナワラビ
②オニカナワラビ、小羽片
オニコバカナワラビ(オニカナワラビ×コバノカナワラビ)か
あるいはオニカナワラビの個体変異か
オニカナワラビとコバノカナワラビの雑種と推定されるオニコバカナワラビかあるいはオニカナワラビの個体変異か。葉の質はオニカナワラビであるが、葉身下部羽片の基部小羽片は発達する。まだ胞子を観察できていない。
①オニコバカナワラビかあるいはオニカナワラビの個体変異か
②オニコバカナワラビかあるいはオニカナワラビの個体変異か、羽片
シモダカナワラビ(オニカナワラビ×ホソバカナワラビ)か
あるいはオニカナワラビの個体変異か
オニカナワラビとホソバカナワラビの雑種と推定されるシモダカナワラビかあるいはオニカナワラビの個体変異か。林縁、林道脇の斜面に数株が生育。どれも頂羽片を形成する。葉の質はオニカナワラビ的。まだ胞子のようすを確認していない。
①②シモダカナワラビかあるいはオニカナワラビの個体変異か
③④シモダカナワラビかあるいはオニカナワラビの個体変異か、胞子のう群
テンリュウカナワラビ(オオカナワラビ×コバノカナワラビ)か
あるいはオオカナワラビの良く育った株か
オオカナワラビとコバノカナワラビの雑種と推定されるテンリュウカナワラビか、あるいはオオカナワラビの良く育った株か。両種が混生しているところで観察。オオカナワラビだけが見られるところでも観察される。最下羽片後側第1小羽片の基部裂片では4回羽状複葉となる。まだ、胞子のようすを観察していない。
①テンリュウカナワラビ(オオカナワラビ×コバノカナワラビ)あるいはオオカナワラビの良く育った株か
②葉身最下部では4回羽状複葉に分かれるテンリュウカナワラビ(オオカナワラビ×コバノカナワラビ)あるいはオオカナワラビの良く育った株か。
標本2
③④葉身最下部では4回羽状複葉に分かれるテンリュウカナワラビあるいはオオカナワラビの良く育った株か。
ミドリカナワラビ
スギや照葉樹が生える林道沿いの崖や斜面にポツンポツンと生育。大形のカナワラビの仲間で葉の大きさは70~90㎝。葉柄下部はピンク~紅色を帯びた褐色。葉は光沢のある皮のようにしなやか小羽片の基部はなで肩。
①上部を樹冠に覆われた林道沿いの崖に生育するミドリカナワラビ
②ミドリカナワラビ、葉柄
③ミドリカナワラビ、葉柄下部の鱗片
⑥ミドリカナワラビ、葉身下部
⑦ミドリカナワラビ、葉身上部
ヤマグチカナワラビ(オオカナワラビ×ミドリカナワラビ)
オオカナワラビとミドリカナワラビの雑種と推定されるヤマグチカナワラビ。林道沿いの山の林縁斜面にポツンポツンと生育しミドリカナワラビ同様あまり群生せず葉は80㎝程度あり大形。羽片はしなだれ具合はミドリカナワラビに似るが、頂羽片を有する点や小羽片の形はオオカナワラビに似る。小羽片裏側の脈上に淡褐色の毛がつきミドリカナワラビの特徴が引き継がれている。(同行の方に教えていただきました。)
①林縁斜面にポツンポツンと生育するヤマグチカナワラビ
②ヤマグチカナワラビ、葉身下部
⑤ヤマグチカナワラビ、胞子のう群と脈上の毛
⑥ヤマグチカナワラビ、胞子のう群
ヤブソテツの仲間
ヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ、ツヤナシヤマヤブソテツ、ホソバヤマヤブソテツ)、テリハヤブソテツ、ナガバヤブソテツ、メヤブソテツなどが観察されました。
イノデの仲間
ツルデンダ、ジュウモンジシダ、イノデ、アイアスカイノデ、イノデモドキ、カタイノデ、ヒメカナワラビ、ハタジュクイノデ、カタイノデモドキ、ドウリョウイノデなどが観察されました。
ヒメカナワラビ
上部を樹冠に覆われた切り立った岩壁に生育。
①日陰の切り立った岩壁に生育するヒメカナワラビ
②ヒメカナワラビ、葉身
カタイノデ
葉の大きさは40~50㎝の中型のイノデの仲間。観察した個体数はそれほど多くなく数株。林内の斜面の林床に生育。葉柄基部の鱗片は黒っぽい黒褐色。葉は黒みを帯びた黄緑色。胞子のう群は中間につく。
①林内の斜面に生育するカタイノデ
②カタイノデ、葉柄基部の鱗片
③胞子のう群を中間につけるカタイノデ
カタイノデモドキ(カタイノデ×イノデモドキ)
岩上に堆積した薄い腐植上に生育、葉の大きさは70~80㎝、葉の色はカタイノデに似ているが胞子のう群はやや辺縁寄り、葉身下部の羽片では小羽片の耳垂に沿って1~2個が並びイノデモドキの形質が現れる。胞子のうは弾けず固まる。
①岩上に堆積した薄い腐植上に生育するカタイノデモドキ
②カタイノデモドキ、葉身
③カタイノデモドキ、葉柄基部の鱗片
④カタイノデモドキ、中軸の鱗片およびやや辺縁寄りにつく胞子のう群
オシダ属の仲間
ベニシダ、マルバベニシダ、マルバベニシダ似のシダあるいはイヌナチクジャクか、オオベニシダ、ヤマイタチシダ、オオイタチシダ(アツバtype、ツヤナシtype)、ナガバノイタチシダ、キヨスミヒメワラビなどを観察。
オオイタチシダ(アツバtype)
小羽片の先では明瞭な鋸歯が確認できる。溶岩の岩壁や岩屑が堆積した露ころに生育。
標本1
①溶岩の岩壁に生育するオイタチシダ(アツバtype)
②オイタチシダ(アツバtype)、羽片
標本2
①溶岩の岩壁に生育するオイタチシダ(アツバtype)
②オイタチシダ(アツバtype)、葉身
①溶岩の岩壁に生育するオイタチシダ(アツバtype)、小羽片
参考画像 東京都 稲城市
イワオオイタチシダ
現地で研究者に教えていただいた株
①イワオオイタチシダ
②イワオオイタチシダ、羽片
③④イワオオイタチシダ、小羽片の形
マルバベニシダ
上部を樹冠に覆われた林道沿いの崖に生育。
①上部を樹冠に覆われた林道沿いの崖に生育するマルバベニシダ
④マルバベニシダ、葉柄下部
⑤マルバベニシダ、葉柄下部の鱗片
ミドリマルバベニシダマガイ:仮称イヌナチクジャクあるいはマルバベニシダ似のシダか
※名称を変更いたしました。2023年5月8日
上部を樹冠に覆われた林道沿いの崖に生育。マルバベニシダに比べるとやや大きく葉の大きさは60~80㎝、光沢のある鮮緑色濃緑色。胞子のう群の付く位置はマルバベニシダ程中肋寄りではない(ベニシダ程度)。
①ミドリマルバベニシダマガイ:仮称イヌナチクジャクあるいはマルバベニシダ似のシダか、葉は光沢のある鮮緑色
②ミドリマルバベニシダマガイ:仮称イヌナチクジャクあるいはマルバベニシダ似のシダか、葉は光沢のある鮮緑色
④⑤ミドリマルバベニシダマガイ:仮称イヌナチクジャクあるいはマルバベニシダ似のシダか、葉柄の鱗片
⑥⑦ミドリマルバベニシダマガイ:仮称イヌナチクジャクあるいはマルバベニシダ似のシダか、胞子のう群
ウラボシ科の仲間
ノキシノブ、クロノキシノブ、マメヅタ、ミツデウラボシ、ヒトツバなどがみられました。
ヒトツバ
渓谷の流れのそばの樹幹に着生していた。
①シシランやマメヅタとともに着生するヒトツバ
そのほかの植物
コクランの大きい個体かユウコクラン
林内の急斜面に1株生育。実(種子鞘)をたくさんつけている。花柄には稜がある。実(種子鞘)を2~5個つける普通のコクランはたくさん見られた。多分、より南に位置する伊豆半島にも生育しているのであろう。
訂正いたします。2022年12月29日
※ネットで検索すると、コクランでも写真の個体に近いくらいたくさん花をつけるものがある(たくさん実をつける写真は確認できていませんが)こと、また「ユウコクランは自家受粉では着果しないため(自家不和合性)、花数が多い割に着果は少ない」とのコメントを拝見いたしました。来春、花の時期に出会えれば花の形状をあらためて詳しく確認したいと思います。
ベニシュスラン
ウエットな谷沿い、溶岩の岩上に生育。時々見られた。
カヤラン
ウエットな林床に落ちていた枯枝に生育。森を形成する樹冠の上部の枝に生育していたものであろう。
イワユキノシタ
溶岩の切り立った岩壁に生育するイワユキノシタ。ここよりもさらに最東部の御殿場周辺の渓谷の岩壁でも観察される。
ヤマアイ
ウエットな林床に群生。
オオカサゴケ
林縁のウエットな崖に生育する。