ホウビシダ、イワユキノシタなどが生育するウエットな崖。2023年11月19日 西伊豆町

西伊豆の谷を歩きました。川沿いの岩場や崖、ウエットな空気に包まれる谷ではいろいろなシダを観察することができました。この季節、日が短いのでもう少し谷の奥まで観察したかったのですが、続きは次の機会ということで途中で戻ることになりました。
観察会後、気になるシダがいくつかあり、2024年1月に再度中伊豆を訪れました。今後、追加して掲載していきます。
それから観察場所の表示を間違えてしまいました。中伊豆の谷を西伊豆町の谷に訂正いたします。



ヒカゲノカズラの仲間 Lycopodium
ヒカゲノカズラ Lycopodium clavatum
ヒカゲノカズラとコバノイシカグマ(上)。2023年11月19日 西伊豆町




トウゲシバの仲間 Huperzia
ホソバトウゲシバ・オニトウゲシバが見られました。
オニトウゲシバ Huperzia serrata var. longipetiolata
葉は紡錘形。地上部の根茎は分岐して立ち上がり上部でさらに1~2回分岐する。
立ちあがった茎の上部でさらに1~2回分岐するオニトウゲシバ。2023年11月19日 西伊豆町
①オニトウゲシバ




イワヒバの仲間 Selaginella
イワヒバ・クラマゴケ・ヒメクラマゴケ・カタヒバ・イヌカタヒバが見られました。
ヒメクラマゴケ Selaginella heterostachys
林道や山道沿いの切り立った崖に群生していました。腹葉の先は尖らず鈍頭。夏には房状に胞子のう穂をつける。
山道沿いの切り立った崖に群生するヒメクラマゴケ。2023年11月19日 西伊豆町 山道沿いの切り立った崖に群生するヒメクラマゴケ。2023年11月19日 西伊豆町
①②山道沿いの切り立った崖に群生するヒメクラマゴケ




カタヒバ Selaginella involvens・イヌカタヒバ Selaginella moellendorffii
渓谷沿いの岩壁・大きな転石上に群生するカタヒバイ。2023年11月19日 西伊豆町 半島の山間部集落の石組みに群生するイヌカタヒバ。2023年11月19日 西伊豆町
①渓谷沿いの岩壁・大きな転石上に群生するカタヒバイ
②半島の山間部集落の石組みに群生するイヌカタヒバ

ルーペで確認できるカタヒバとイヌカタヒバの相違点。2023年11月19日 西伊豆町
③ルーペで確認できるカタヒバイとイヌカタヒバの背葉中肋の違い




コケシノブの仲間
オオハイホラゴケ・ハイホラボケ・アオホラゴケ・アオホラゴケの仲間などが見られました。
オオハイホラゴケ Vandenboschia striata
スギ林内の岩上や林床に小形のオオハイホラゴケが生育していた。葉の大きさは15センチ程度(葉柄と葉身はほぼ同長)胞子をつける成株。渓流沿いなどウエット環境では30㎝近くになる。
スギ林内の岩上や林床に小形のオオハイホラゴケ。2023年11月19日 西伊豆町 スギ林内の岩上や林床に小形のオオハイホラゴケ。2023年11月19日 西伊豆町
①②スギ林内の岩上や林床に小形のオオハイホラゴケ

小形のオオハイホラゴケ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
③小形のオオハイホラゴケ、胞子のう群

オオハイホラゴケ、胞子数62個程度確認、大きさ・形は整い有性生殖種と推定される。西伊豆町 2023年11月19日 オオハイホラゴケ、胞子数61個程度確認、大きさ・形は整い有性生殖種と推定される。西伊豆町 2023年11月19日
④オオハイホラゴケ、1つの胞子のうを壊したようす。胞子数は62個程度確認
⑤オオハイホラゴケ、1つの胞子のうを壊したようす。胞子数は61個程度確認




コケホラゴケ Crepidomanes makinoi
渓流のしぶきがかかるウエットな空気に包まれた岩壁に群生するコケホラゴケ。切り立った岩壁で日陰に生育するものは深緑色、やや明るいところはに生育する葉は灰を被ったような艶のない白濃緑色。裂片の先は尖る。蕾形の包膜の先は尖り上半分はコケシノブのように完全に開いている。偽脈はある。
ウエットな空気に包まれた岩壁に群生するコケホラゴケ。2023年11月19日 西伊豆町 コケホラゴケ、裂片の先は尖り、包膜は大きく開く。2023年11月19日 西伊豆町 
①ウエットな空気に包まれた岩壁に群生するコケホラゴケ
②コケホラゴケ、裂片および包膜

コケホラゴケ。2023年11月19日 西伊豆町 コケホラゴケ。2023年11月19日 西伊豆町 
③④コケホラゴケ

コケホラゴケ、裂片の先は鋭頭。2023年11月19日 西伊豆町 コケホラゴケ、裂片の先は鋭頭。2023年11月19日 西伊豆町 
⑤⑥コケホラゴケ、裂片の先は鋭頭

コケホラゴケ、偽脈は長い。2023年11月19日 西伊豆町 コケホラゴケ、偽脈は長い。2023年11月19日 西伊豆町 
⑦⑧コケホラゴケ、偽脈

コケホラゴケ、包膜は開き先端は尖る。2023年11月19日 西伊豆町 コケホラゴケ、包膜は開き先端は尖る。2023年11月19日 西伊豆町 
⑨⑩コケホラゴケ、包膜




アオホラゴケ Crepidomanes latealatum
林内の岩場ではときどきお目にかかった。
林内の切り立った岩壁に生育するアオホラゴケ。2023年11月19日 西伊豆町 アオホラゴケ。2023年11月19日 西伊豆町
①林内の切り立った岩場に生育するアオホラゴケ
②アオホラゴケ 

アオホラゴケ、偽脈。2023年11月19日 西伊豆町 アオホラゴケ、包膜。2023年11月19日 西伊豆町
①アオホラゴケ、偽脈
②アオホラゴケ、包膜 




ハナワラビの仲間
オオハナワラビが見られました。




コバノイシカグマの仲間
フモトシダ、コバノイシカグマ、イヌシダ、イワヒメワラビ、オオフジシダなどが見られました。
オオフジシダ Monachosorum nipponicum
ウエットで薄暗い崖に生育。オオキジノオやキジノオシダ、ホソバノコギリシダなどが群生する中に生育。
高く切り立ったウエットな崖に生育するオオフジシダ。2024年1月6日 西伊豆町 オオフジシダ、葉身。2024年1月6日 西伊豆町
①高く切り立ったウエットな崖に生育するオオフジシダ
②オオフジシダ、葉身

オオフジシダ、羽片。2024年1月6日 西伊豆町 オオフジシダ、胞子のう群。2024年1月6日 西伊豆町
①オオフジシダ、羽片
②オオフジシダ、胞子のう群




イノモトソウ科の仲間
イワガネゼンマイ・オオバノハチジョウシダ・アマクサシダ・マツザカシダ・ナチシダなどが見られました。オオバノアマクサシダは観察できなかった。
ナチシダ Pteris wallichiana
いたるところで見られもっとも優勢なシダでした。
山道沿いに生育するナチシダ。1.5~2m近くある。2023年11月19日 西伊豆町




シシラン属の仲間
シシラン Vittaria flexuosa
ウエットな空気に包まれた渓流沿いでは岩上や樹幹にときどき見られた。
渓流沿いの樹の幹に群生するシシラン。2023年11月19日 西伊豆町 岩壁に群生するシシラン。2023年11月19日 西伊豆町
①渓流沿いの樹の幹に群生するシシラン
②岩壁に群生するシシラン




ヒメシダの仲間
コハシゴシダ・イブキシダ・ミゾシダが見られました。
コハシゴシダ Amauropelta angustifrons
林道沿いの岩が露出する乾いた崖に生育していました。
岩が露出する乾いた崖に生育するコハシゴシダ。2023年11月19日 西伊豆町
岩が露出する乾いた崖に生育するコハシゴシダ




イブキシダ Pseudocyclosorus esquirolii
流れのそばで絶えず水しぶきがかかる明るい河原に群生していました。
絶えず水しぶきがかかる渓流沿いの河原に生育するイブキシダ。2023年11月19日 西伊豆町 イブキシダ、葉身下部。2023年11月19日 西伊豆町
①絶えず水しぶきがかかる渓流沿いの河原に生育するイブキシダ
②イブキシダ、葉身下部

イブキシダ、羽片。2023年11月19日 西伊豆町 イブキシダ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
①イブキシダ、羽片
②イブキシダ、胞子のう群




チャセンシダの仲間
イヌチャセンシダ・トラノオシダ・コバノヒノキシダ・イワトラノオ・アオガネシダ・クルマシダ・コウザキシダ・ヌリワラビ・ナンカイヌリトラノオ?・ホウビシダなどが見られました。この谷ではコバノヒノキシダやイワトラノオはかえって珍しいくらいでわずかしか観察できませんでした。
アオガネシダ Asplenium wilfordii
渓流に面した切り立った岩壁や樹幹に群生していました。
岩壁に生育するアオガネシダ。2023年11月19日 西伊豆町 アオガネシダ、葉身。2023年11月19日 西伊豆町
①岩壁に生育するアオガネシダ
②アオガネシダ、葉身
アオガネシダ、中軸および羽片。2023年11月19日 西伊豆町 アオガネシダ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
③アオガネシダ、中軸および羽片
④アオガネシダ、胞子のう群




コウザキシダ Asplenium ritoense
林内の岩上や山道脇の石組みなどにサジランなどと共に群生していました。
林内の岩上や山道脇の石組みなどに群生するコウザキシダ。2023年11月19日 西伊豆町 コウザキシダ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
①林内の岩上や山道脇の石組みなどに群生するコウザキシダ
②コウザキシダ、胞子のう群




クルマシダ Asplenium wrightii
林内の薄暗い崖の岩棚から50~80㎝の大きな葉を広げていました。
日陰の切り立った岩壁に大きな葉を広げるクルマシダ。2023年11月19日 西伊豆町 クルマシダ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
①日陰の切り立った岩壁に大きな葉を広げるクルマシダ
②クルマシダ、胞子のう群




ヌリトラノオ Asplenium normale
風通しの良い川のそばの大きな転石上にカタヒバやシシランと共に生育していました。羽片は平行四辺形。葉の先はちぎられたようにして終わりむかごをつけていた。
風通しの良い川のそばの大きな転石上に群生するヌリトラノオ。2023年11月19日 西伊豆町 ヌリトラノオ、むかごに着くむかご。2023年11月19日 西伊豆町
①風通しの良い川のそばの大きな転石上に群生するヌリトラノオ
②ヌリトラノオ、むかご




ナンカイヌリトラノオか Asplenium normale?
大きな岩壁の下部ウエットな林床の近くに群生。同じ岩壁の上部の岩上にはヌリトラノオが生育。羽片の形は、基部の幅が広く先へ行くほど幅は狭くなり羽片の大きさの割に鋸歯が深い。写真の株はヌリトラノオの形態変化の範囲かもしれない。
切り立った岩壁の下に生育するナンカイヌリトラノオか。2023年11月19日 西伊豆町 切り立った岩壁の下に生育するナンカイヌリトラノオか。2023年11月19日 西伊豆町
①②切り立った岩壁の下に生育するナンカイヌリトラノオか




イヌチャセンシダ Asplenium tripteropus
林道沿いの上部を樹冠に覆われた北向きの崖や石組みに群生していた。
北向きの崖や石組みに群生するイヌチャセンシダ。2023年11月19日 西伊豆町 北向きの崖や石組みに群生するイヌチャセンシダ。2023年11月19日 西伊豆町
①北向きの崖や石組みに群生するイヌチャセンシダ
①北向きの崖や石組みに群生するイヌチャセンシダ

イヌチャセンシダ、中軸の下側にも翼がある。2023年11月19日 西伊豆町 イヌチャセンシダ、中軸の上部にむかご羽をつける。2023年11月19日 西伊豆町
①イヌチャセンシダ、中軸下側の翼
①イヌチャセンシダ、むかご




ホウビシダ Hymenasplenium hondoense
渓流沿いウエットな空気に包まれた岩壁に生育。場所によってはイワユキノシタも生育していた。
ウエットな空気に包まれた崖に生育するホウビシダ。2023年11月19日 西伊豆町 ホウビシダ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
①ウエットな空気に包まれた崖に生育するホウビシダ
②ホウビシダ、胞子のう群




シシガシラの仲間
シシガシラ葉普通に見られ、オサシダはわずかにみられました。
オサシダ Blechnum amabile
渓谷沿いの岩壁の上部ややや乾燥気味の岩壁に少数の株が生育しているのを観察しました。
切り立った岩壁に生育するオサシダ。2024年1月6日 西伊豆町 
①切り立った岩壁に生育するオサシダ

切り立った岩壁に生育するオサシダ。2024年1月6日 西伊豆町 オサシダ、栄養葉と枯れた胞子葉。2024年1月6日 西伊豆町
②オサシダ、葉柄基部の鱗片
③オサシダ、栄養葉と枯れた胞子葉





メシダの仲間
ヤマイヌワラビ・タニイヌワラビなどが見られました。




ノコギリシダの仲間 Diplazium
ノコギリシダ・シロヤマシダ・ミヤマノコギリシダ・ホソバノコギリシダなどが見られました。
ミヤマノコギリシダ Diplazium mettenianum
渓谷の両側の崖が近く、薄暗い川沿いの樹林下に生育していた。葉の大きさは40~50㎝。

川沿い薄暗い樹林下に生育するミヤマノコギリシダ。2023年11月19日 西伊豆町 ミヤマノコギリシダ、羽片裏側および胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
①川沿い薄暗い樹林下に生育するミヤマノコギリシダ
②ミヤマノコギリシダ、羽片裏側および胞子のう群




ホソバノコギリシダ Diplazium fauriei
渓谷の両側の崖が近く、薄暗い川沿いの樹林下の切り立った崖や崖下のウエットな林床に生育していた。葉の大きさは25~40㎝。
川沿い薄暗い樹林下に生育するホソバノコギリシダ。2023年11月19日 西伊豆町 ホソバノコギリシダ、羽片裏側および胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
①川沿い薄暗い樹林下に生育するホソバノコギリシダ
②ホソバノコギリシダ、羽片裏側および胞子のう群




シロヤマシダ Diplazium hachijoense
渓谷内の崖や岩屑地に群生していた。葉の大きさは50~70㎝。葉柄基部には目立った鱗片はない。胞子のう群は中肋と辺縁の中間につく。
水しぶきがかかる岩壁に群生するシロヤマシダ。2024年1月6日 西伊豆町 シロヤマシダ。2023年11月19日 西伊豆町
①水しぶきがかかる岩壁に群生するシロヤマシダ
②シロヤマシダ

シロヤマシダ、羽片。2024年1月6日 西伊豆町 シロヤマシダ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
③シロヤマシダ、羽片
④シロヤマシダ、胞子のう群




ノコギリシダ Diplazium wichurae
アカメクジャクと比較するために載せます。西伊豆の渓谷ではよく目にします。
林内を流れる渓流沿いの林道脇に生育するノコギリシダ。2023年11月19日 西伊豆町 ノコギリシダとオリヅルシダ(左下と右上)。2023年11月19日 西伊豆町
①林内を流れる渓流沿いの林道脇に生育するノコギリシダ
②ノコギリシダとオリヅルシダ(左下と右上)




アカメクジャク Diplazium × okudairaioides
イヨクジャクとノコギリシダの雑種。渓谷わきの切り立ったウエットな岩壁に2×3mの範囲に群生。ノコギリシダは羽片の幅はほぼ一定であるが羽片基部の幅が最大で徐々に狭くなる。葉の艶はノコギリシダのように強くなく、葉の硬さも中間。再度訪れたときに観察。




ヤブソテツの仲間
ナガバヤブソテツ・ヤブソテツテリハ形・ヤブソテツツヤナシ形・メヤブソテツなどが見られました。
メヤブソテツ Cyrtomium caryotideum
風通しの良い渓谷の河原や岩壁に生育。
風通しの良い渓谷の河原に生育するメヤブソテツ。2023年11月19日 西伊豆町 
①風通しの良い渓谷の河原に生育するメヤブソテツ

岩壁の割れ目に生育するメヤブソテツ。2023年11月19日 西伊豆町 メヤブソテツ、羽片裏側および胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
②岩壁の割れ目に生育するメヤブソテツ
③メヤブソテツ、羽片裏側および胞子のう群 




カナワラビの仲間
オオカナワラビ・オニカナワラビ・ホソバカナワラビ・コバノカナワラビ・エンシュウカナワラビ・オニカナワラビ似のカナワラビが見られました。
エンシュウカナワラビ Arachniodes × tohtomiensis Shimura, nom. nud.
ホソバカナワラビと不明種との雑種といわれている。あまりウエットではない林床斜面に生育する。ホソバカナワラビかと思ってよく見ると頂羽片は無く、最下羽片後側小羽片は第1小羽片以外も発達する。雑種といわれているが、胞子は観察していない。

標本1
あまりウエットではない林床斜面に生育するエンシュウカナワラビ。2023年11月19日 西伊豆町 エンシュウカナワラビ、小羽片は深く切れ込む。2023年11月19日 西伊豆町
①あまりウエットではない林床斜面に生育するエンシュウカナワラビ
②エンシュウカナワラビ、小羽片


標本2
あまりウエットではない崖に生育するエンシュウカナワラビ。2024年1月6日 西伊豆町
①あまりウエットではない崖に生育するエンシュウカナワラビ 

エンシュウカナワラビ、葉身上部。2024年1月6日 西伊豆町 エンシュウカナワラビ、葉身下部。2024年1月6日 西伊豆町
②エンシュウカナワラビ、葉身上部 
③エンシュウカナワラビ、葉身下部 




柔らかい葉をつけるオニカナワラビ
一般にオニカナワラビは硬い葉を上に向かって立ち上げていることが多いが、ここ西伊豆町の水しぶきがかかるウエットな渓谷では葉柄や葉身が柔らかいオニカナワラビが生育していた。観察会では1株しか見られなかったので現地を再訪。周辺を探すとウエットな空気に包まれた崖や樹幹に複数の株を観察することができた。ウエットな空気に包まれた環境では葉は柔らかくしだれるのか。根茎は太く塊状~短く這う。葉は1~3枚程度つける。まだ胞子を観察できていないが機会があれば観察してみたい。
標本1
ウエットな空気に包まれた渓流のそばに生育する柔らかい葉をつけるオニカナワラビ。2023年11月19日 西伊豆町
①ウエットな空気に包まれた渓流のそばに生育する柔らかい葉をつけるオニカナワラビ

柔らかい葉をつけるオニカナワラビ、葉身下部。2023年11月19日 西伊豆町 柔らかい葉をつけるオニカナワラビ、葉身上部。2023年11月19日 西伊豆町
②柔らかい葉をつけるオニカナワラビ、葉身下部
③柔らかい葉をつけるオニカナワラビ、葉身上部


標本2
崖に生えるカンスゲの仲間と共に葉が垂れ下がる柔らかい葉をつけるオニカナワラビ。2024年1月6日 西伊豆町
①崖に垂れ下がるカンスゲの仲間と共に葉を垂れ下げる柔らかい葉をつけるオニカナワラビ




ホソバカナワラビ Arachniodes exilis.
乾燥気味に林床や尾根筋に群生する。
乾燥気味に林床に生育するホソバカナワラビ。2024年1月6日 西伊豆町 ホソバカナワラビ、羽片。2024年1月6日 西伊豆町




不明なカナワラビ
上部に樹冠はあるが明るい乾燥気味の岩棚に生育。根茎は長く這う。改めて胞子のようすを確認してみたい。
岩壁の岩の割れ目に生育する不明なカナワラビ。2024年1月6日 西伊豆町 岩壁の岩の割れ目に生育する不明なカナワラビ。2024年1月6日 西伊豆町
①②岩壁の岩の割れ目に生育する不明なカナワラビ

不明カナワラビ、根茎。2024年1月6日 西伊豆町 &show(): The style ref(filename,pagename) is ambiguous and become obsolete. Please try ref(pagename/filename);
③不明なカナワラビ、根茎
④不明なカナワラビ、胞子のう群




イノデの仲間
イノデモドキ・サイゴクイノデ・ヒメカナワラビ・黒い鱗片を持つイノデ・オリヅルシダなどがみられました。
オリヅルシダ Polystichum lepidocaulon
ウエットな空気に包まれた岩場を見上げるとオリヅルシダやノコギリシダが群生していた。
切り立った岩壁に生育するオリヅルシダとノコギリシダ(上)。2023年11月19日 西伊豆町 切り立った岩壁に生育するオリヅルシダ。2023年11月19日 西伊豆町
①切り立った岩壁に生育するオリヅルシダとノコギリシダ(上)
②オリヅルシダ

切り立った岩壁に生育するオリヅルシダ、葉身の先には無性芽をつける。2023年11月19日 西伊豆町 切り立った岩壁に生育するオリヅルシダ。2023年11月19日 西伊豆町
①葉身の先端にむかご(無性芽)をつけるオリヅルシダ
②オリヅルシダ、胞子のう群




鱗片が黒いイノデ Polystichum polyblepharum
非常にウエットな空気に包まれた岩場や岩棚に10株ほどまとまって生育する。葉の大きさは50㎝程度で中形、葉柄~中軸にかけて黒褐色の鱗片をつける。同行の方とお話して普通のイノデとは似ていないがイノデ以外にに考えられない、となった。
ウエットな空気に包まれた岩場に生育する鱗片が黒いイノデ。2023年11月19日 西伊豆町 鱗片が黒いイノデ、葉身。2023年11月19日 西伊豆町
①ウエットな空気に包まれた岩場に生育する鱗片が黒いイノデ
②鱗片が黒いイノデ、葉身

鱗片が黒いイノデ、葉柄。2023年11月19日 西伊豆町 黒いイノデ、中軸。2023年11月19日 西伊豆町
③鱗片が黒いイノデ、葉柄
④黒いイノデ、中軸

鱗片が黒いイノデ、羽片裏側もつやがある。2023年11月19日 西伊豆町 黒いイノデ、胞子のう群。2023年11月19日 西伊豆町
⑤鱗片が黒いイノデ、つやがある羽片裏側
⑥黒いイノデ、胞子のう群




オシダ属の仲間
オオイタチシダアツバ形・オオイタチシダつやなし型・オオイタチシダアオニ形・ナンカイイタチシダ・イワヘゴ・イヌイワヘゴ・葉柄鱗片が明るい褐色のトウゴクシダ・ミヤマイタチシダ・ヌカイタチシダ・ナガバノイタチシダ・ホオノカワシダなどがみられました。
褐色鱗片のトウゴクシダ Dryopteris nipponensis
渓谷沿いの水辺の崖に生育。葉柄基部には褐色鱗片(鱗片中央に栗色が入る)が纏わりつくようについていた。トウゴクシダは一般に黒に近い黒褐色の鱗片をつける。
渓谷沿いの水辺の崖に生育するトウゴクシダ。2023年11月19日 西伊豆町
①渓谷沿いの水辺の崖に生育する褐色鱗片を持つトウゴクシダ

トウゴクシダ、葉柄基部には褐色鱗片が纏わりつくようにつく。2023年11月19日 西伊豆町 葉柄基部には褐色鱗片がつくトウゴクシダ、羽片。2023年11月19日 西伊豆町
①葉柄基部には褐色鱗片が纏わりつくようにつくトウゴクシダ
①葉柄基部には褐色鱗片が纏わりつくようにつくトウゴクシダ、羽片




ヌカイタチシダ Dryopteris gymnosora
北向きのウエットな切り立った崖に30株ほどまとまって生育していた。
北向きのウエットな切り立った崖に生育するヌカイタチシダ。2023年11月19日 西伊豆町 北向きのウエットな切り立った崖に生育するヌカイタチシダ。2024年1月6日 西伊豆町 
①②北向きのウエットな切り立った崖に生育するヌカイタチシダ 

ヌカイタチシダ、胞子のう群は葉身基部中央からつき始める。2023年11月19日 西伊豆町 ヌカイタチシダ、包膜はない。2023年11月19日 西伊豆町
③ヌカイタチシダ、葉身下部裏側および胞子のう群
④ヌカイタチシダ、胞子のう群




ホオノカワシダ Dryopteris shikokiana
ウエットな空気に包まれた切り立った岩壁下の岩屑地に大きな群生地を形成。大きな葉は1mを超える。
切り立った岩壁下の岩屑地に群生するホオノカワシダ。2023年11月19日 西伊豆町 ホオノカワシダ、中軸の鱗片。2024年1月6日 西伊豆町
①②切り立った岩壁下の岩屑地に群生するホオノカワシダ

ホオノカワシダ、中軸の鱗片。2023年11月19日 西伊豆町
②ホオノカワシダ、中軸の鱗片




ウラボシ科の仲間
ミツデウラボシ・ヒトツバ・クリハラン・ヤノネシダ・ノキシノブ・クロノキシノブ・フジノキシノブ・ヒメノキシノブ・サジラン・イワヤナギシダ?などが見られました。
クリハラン Lepisorus ensatus
渓流沿いの石組みや岩屑地では普通にみられる。
渓流沿いの岩屑地に群生するクリハラン。2023年11月19日 西伊豆町
①渓流沿いの石組みや岩屑地に群生するクリハラン




サジランか Loxogramme duclouxii?
林内の山道の崖下に群生していた。胞子のう群のようすを確認できていないのでイワヤナギシダの可能性もある。胞子をつけた葉を見つけようと再度訪れて大きな群生の葉を見て回ったが、胞子をつけた葉を見つけることができなかった。サジランとイワヤナギシダとの雑種の可能性がある。
標本1 山道下の石垣
林内の山道の崖下に群生するサジランか。2024年2月6日 西伊豆町 林内の山道の崖下に群生するサジランか、胞子のう群をつけた葉は確認できなかった。2023年11月19日 西伊豆町
①②林内の山道の崖下に群生するサジラン

サジランか、葉柄基部は黒褐色を帯びていない。2023年11月19日 西伊豆町 
③サジランか、葉柄基部


標本2 渓流沿いの切り立った岩壁。幅の狭い葉をつける個体
渓流脇のアオホラゴケやコケホラゴケが群生する岩壁に生育する幅の狭い葉をつけたサジランかイワヤナギシダか不明なシダ。胞子のう群をつけていない。
渓流脇のアオホラゴケが群生する岩壁に生育するイワヤナギシダか。西伊豆町 2023年11月19日
サジランかイワヤナギシダかあるいは両者の雑種か




ノキシノブ Lepisorus thunbergianus
人家近くのサクラの樹幹に着生していた。
サクラの樹幹に生育するノキシノブ。西伊豆町 2023年11月19日 ノキシノブ、葉はやや込み合ってつく。西伊豆町 2023年11月19日 
①サクラの樹幹に生育するノキシノブ
②ノキシノブ、葉のつき方

ノキシノブ、根茎の鱗片辺縁の鋸歯はやや短い。西伊豆町 2023年11月19日 ノキシノブ、胞子数63個程度確認、大きさ・形は整い有性生殖種と推定される。西伊豆町 2023年11月19日
③ノキシノブ、根茎の鱗片(目盛りは1mm)
④ノキシノブ、1つの胞子のうを壊したようす。胞子数は63個程度確認




フジノキシノブ Lepisorus kuratae
人家の石垣に生育していた。鱗片のようすからフジノキシノブとした。
人家の石垣に生育するフジノキシノブ。西伊豆町 2023年11月19日 フジノキシノブ、葉身。西伊豆町 2023年11月19日 
①人家の石垣に生育するフジノキシノブ
②フジノキシノブ、葉身

フジノキシノブ、葉は込み合ってつける。西伊豆町 2023年11月19日 フジノキシノブ、胞子数61個程度確認、大きさ・形は整い有性生殖種と推定される。西伊豆町 2023年11月19日 
③フジノキシノブ、葉のつき方
④フジノキシノブ、1つの胞子のうを壊したようす。胞子数は61個程度確認
 
フジノキシノブ、根茎の鱗片辺縁の鋸歯は長い。西伊豆町 2023年11月19日 フジノキシノブ、葉身の鱗片辺縁の鋸歯は長い。西伊豆町 2023年11月19日 
⑤フジノキシノブ、根茎の鱗片(目盛りは1mm) 
⑥フジノキシノブ、葉身の鱗片




ヤノネシダ Lepisorus buergerianus
渓流沿いでウエットな空気に包まれた環境であるが、川沿いの巨大な苔むしたほとんど腐植のない転石上にアオガネシダ・クリハランなどと共に生育していました。
苔むした渓谷沿いの大きな転石上にアオガネシダなどと共に生育するヤノネシダ。西伊豆町 2024年1月6日 
①苔むした大きな転石上生育するヤノネシダ




ヒトツバ Pyrrosia lingua
林内の突き刺さるように立つ岩上に群生していました。
林内の突き刺さるように立つ岩上に群生するヒトツバ。西伊豆町 2023年11月19日 岩上に群生するヒトツバ、まばらに胞子葉をつける。西伊豆町 2023年11月19日
①林内の突き刺さるように立つ岩上に群生するヒトツバ
②まばらに胞子葉をつけるヒトツバ




少しずつ掲載いたします