西丹沢のいくつかの渓谷を歩きました。この季節、イワタバコが美しい花を咲かせていました。渓谷の岩場には今はまだ目立ちませんがイワシャジンがそこかしこに生えていました。丹沢の名花だと思っています。
林床のシカの食害はひどく渓谷沿い以外はほとんどシダを含め観察できる植物は少なかったです。
ホソバコケシノブ
渓谷の日陰のウエットな岩壁に生育する。
①日陰のウエットな岩壁に生育するホソバコケシノブ
②ホソバコケシノブ、包膜
ヒメコケシノブ
どちらかというとやや明るい岩壁。ウエットな場所からそれほどウエットでない場所まで生育。
①それほどウエットではない崖に群生するヒメコケシノブ
②胞子のう群をつけていないヒメコケシノブ
アオホラゴケ。
ウエットな空気に包まれた渓谷では苔むした樹幹に群生していた。
ウチワゴケ。
ウエットな空気に包まれた渓谷では苔むした樹幹に群生していた。
エビラシダ。
西丹沢ではウエットな切り立った崖で時々出会う。
キヨタキシダ。
シカの食害がひどいところでも時々観察される。
リョウトウイタチシダ。
西丹沢の沢では時々目にする。渓谷沿いの岩場に生育する。葉は淡緑色~淡黄緑色、質は薄い。
イヌイワイタチシダ。
渓谷の岩壁に生育する。葉は鮮緑色~緑色、鱗片は多少開出気味につくがイワイタチシダほどではない。
イワイタチシダ。
渓谷や山地の岩壁に生育する。撮影した個体は小形だが葉の大きさは10~30㎝。葉は艶のない淡緑色。
①渓谷沿いの岩場に生育するイワイタチシダ。
②イワイタチシダ、葉柄
ミドリカナワラビ
生育地の地質の違いによるのであろうか、一部の谷で10株程度観察された。岩混じりの崖に生育。シカの食害のためであろうか、小さな個体が目立った。発見された方は、先にこの谷に入られて観察したときには「むかご」をつけた個体も見られたとお話されていた。再度「むかご」をつけた株に出会うことはできなかった。
イノデモドキ
渓谷内の岩場では小さなイノデモドキが生育している。よく似たチャボイノデも同様な岩場に生育している。葉柄基部には披針形や長卵形の鱗片が密生し、中軸にも披針形の鱗片が密生する。チャボイノデと異なるところは①鱗片がほとんどねじれていない。②鱗片の辺縁のほつれ具合がやや激しい。胞子のう群は辺縁につく。
チャボイノデ
西丹沢の痩せた渓谷では小さな個体が多く、一緒に生育している小形のイノデモドキとは鱗片の違いを見ないと外観では区別できないくらい似ている。チャボイノデの葉柄基部には長卵形~披針形・辺縁には細鋸歯がある捻じれた鱗片が密生する。中軸の鱗片は披針形・辺縁には細鋸歯がある捻じれた鱗片が密生する。胞子のう群は辺縁につく。
②チャボイノデ、チャボイノデ、葉身下部裏側および中軸の鱗片
③チャボイノデ、胞子のう群
標本2
①渓谷内の岩場に生育するチャボイノデ
①チャボイノデ、葉身下部
①チャボイノデ、葉柄の鱗片
①チャボイノデ、葉柄~中軸の鱗片
標本3鱗片・胞子を観察した葉
①チャボイノデ、葉
①チャボイノデ、中軸の鱗片
①チャボイノデ、葉柄下部の幅の広い鱗片
①チャボイノデ、葉柄下部の幅の狭い鱗片
オニイノデ
生育地の地質の違いによるのであろうか、一部の谷では時々出会うことができた。石組みや岩が露出する崖に生育。
サジラン
ウエットな空気に包まれた渓谷内の岩壁や樹幹に群生。
ヒメサジラン
ウエットな空気に包まれた両側の崖が迫った渓谷沿いの斜面に生育する巨木の幹に生育していました。
渓流沿いの岩場に生育するそのほかの花
③ハコネシロカネソウ
③ミヤマハタザオ
今後、少しずつ掲載してまいります。